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(C)2003
Somekawa & vafirs

ハラムとハラル

山ちゃん

皆さん、こんにちは! ご無沙汰しております。 私の海外流浪の旅はまだまだ続いており、今回はパキスタンに来ております。

先に部下が来て、仕事をしていたのですが、ブット元首相が暗殺され、政情不安となり、危険度が組合員を派遣できるレベルを超えましたので、急遽帰国させ、危険度制限なしの非組合員である自分を派遣しました。

私の職位はちょうど狭間であり、より上位になると、再び危険度の設定が為されるのですが、そこまで上り詰める前に大概の人は……まあ、会社の内部事情でもありますので、この辺りでやめておきましょう。 帰りの切符貰えなくなったら大変ですので。

ここパキスタンは、な〜んにも無いところで、娯楽といえば、ホテルの部屋でNHKの文字放送を見るか、ホテルに付属するミニ動物園に行って小猿と戯れ、孔雀の羽を広げるのをじーっと待つか……。
この前なんてホテルの横のテント小屋で英国からビートルズのコピーバンドが来て大コンサートを開いて人を集めていました。 あとは人との会話ですね。 と言っても日本人は皆、避難してしまったので相手は現地人となりますが。

海外で、特に宗教色の強い国では、宗教の話はご法度ですが、まあ、何と言うのでしょう、仲良くなると結構そんな話もするものです。
今回はアリという、商社勤務の独身青年ですが、仕事への行き帰りずっと一緒だったので、よく話をしています。 今日はその中から幾つか皆さんが興味を持つような話題を選んでみますね。


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第一話:「ハラムとハラル」
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イスラム教では、戒律に違反していること、いないことが、はっきりと決められています。 戒律に触れない行為を「ハラル」と呼び、禁止行為は「ハラム」と言います。
ハラムとして有名なところでは、豚肉を食べてはいけない、アルコールを飲んではいけない等がありますが、ハラムを破った場合は厳しく処罰されますが、アリ君によれば、生命に拘わる場合は特例として許されることもあるということです。

例えば、病気を治すためにアルコールが混じっている薬をどうしても飲まなければならない場合とか、また、森の中で道に迷って何日間も空腹で暮らした場合など、何を食べてもいいらしいです。
ここで、アリ君に質問しました。
 「それでは、あなたが森の中で道に迷って、何日間もさまよい、空腹でもう死にそうなときに、ハラムで禁じられている豚が目の前をよこぎりました。アッと思っていると、反対側からうまそうに太った犬が歩いてきました。オッと思っていると木の上から蛇がブラ〜ンと下がってきました。さあ、あなたはどれを食べますか?」

この質問はかなり受けました。 答えは出ませんでしたけど。

まあ、日本人なら黙って豚を食べるでしょう。
韓国人ならどうするでしょうか? 彼らは犬を食べます。 韓国味噌仕立ての鍋にして。 体が暖まります。 中国人は全て好物です。 蛇は輪切りにして唐揚に、皮はサラダ風にして食します。 唐揚は小骨が多く食べにくいです。

あと、他の話ですが、もう前から一つ気になっていたことがあって、今日アリ君に聞いてみました。

街を歩いていると、よく若い男同士が2人で手をつないで歩いています。 見ていると非常に寒いのですが、確かホモもハラムのはずで、少なくとも人前では御法度のはず。 ということは男同士が手をつなぐのは普通の人がすることなのでしょうか?

答えはYesです。 ここでは、仲良しは手をつなぐのです。 男同士であっても。 アメリカでは、やめた方がよいですよ、不本意なタイプの友達が沢山出来ますよと忠告をしてあげました。


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第二話:「結婚と離婚」
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アリ君はまだ25才なので結婚はあと数年はするつもりはないと言ってます。 彼女は今はいないとのことだけど、もし将来彼女ができても、その娘とは結婚はしないだろうと。
なぜならば、自分が花嫁を選ぶと、結婚後、もし問題が起きた場合は自分の責任となるからだそうです。 親が選んだ相手と結婚すると、責任は親にあるので自分は楽だそうです。

パキスタンでは、結婚は個人と個人がするものではなく、家族と家族が行うものであるそうで、例えば、身分が不釣り合いな家族間の結婚は、まずはあり得ないそうです。
双方の家族の合意の元でなければ、幸せな結婚は出来ない。 じゃあ、国際結婚なんてあり得ないじゃないか? と聞いたところ、その通りだとのことです。 非常に少ないケースであると。

離婚は非常に少ない。 なぜならば、離婚は女性にとって非常に損であるから。 働き口がないからか? と聞いたところ、給料は安いけど、働き口はある。 決定的なのは、離婚を理由に一生、後ろ指を指されるからだと。 (昔の日本もそうでしたよね)家族が非常にリッチでなければ、女性はまずは離婚できないそうです。

ひとつ、面白い決まり事があって、夫婦が離婚したあと、もし再びよりを戻して、同じ相手と再婚したくなった場合、女の方は一度、他の男と結婚する必要があるのだそうです。
その2度目の結婚が破局した場合、初めて前の旦那と再婚が出来るのだと。 それでは、それでまた破局した後、またその旦那と結婚したかったら、3番目を見つけなければならないのだね? と聞いたら、まあそういうことだ、でもそんなバカなことをする人はまずいないと。(同意)

ここは、4人まで嫁さんを持つことが出来ます。 それじゃ、嫌いになったら離婚せずに新しいのを貰えば良いのかというと、そうもいかないようです。
何故なら、新たに結婚するときは他の嫁さん全員の承認が必然であるから。 かつ、結婚後は全ての嫁さんを差別することなく面倒みる必要があると。 余程の甲斐性がなければ、まず出来ないことのようで、そんな奇特な人にはまだ私はお目にかかったことがありません。


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第三話:「田舎の風景」
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通勤途中でよく見る光景なのですが、民家のブロック壁に直径20cm程のホタテ貝みたいな恰好した泥が一面に張られています。
ああ、壁の塗り替えなんだなーと思っていましたが、どの家でも同じように張られているので、変に思っていました。
ある日、やはり通勤途中に外を見てると、女の人が牛の横で山のようになった泥の塊を、手でコネコネと大きな団子を作り出しているではありませんか。 その泥の塊はよく見ると、牛糞でした。
牛はわらをよく食べるので、牛糞にもかなりわらが混じり、これを乾かすと、いい燃料になるらしいです。 この糞塊を手でギューと日当たりの良い壁に押しつけ(これがホタテ貝状の模様なる)この時期に何日間か乾かすと、調理用の燃料となるみたいです(料理も香ばしくなる?)。
でも、1日中かなり発酵した牛糞をマスクもせず丸めている女の人は、決して鼻が詰まっているわけではなく、ただ、小さいときからおばあさんもお母さんもお姉さんもみんなそうしているから、自分も当然する物だと思い自然にやっているのでしょう。

もしも、日本人の女性がパキスタンから稼ぎに来ている男と恋に落ちて、結婚することとなって、彼の実家が農家で、お嫁入りしたらまず最初の仕事が糞丸めだとしても、愛の力でアチャー(OKの意味)と言ってたまに額の汗をその手で拭いながら、仕事をするのでしょうね..........。

ピンポーーーーーーーーーーーーーーーン

あ、ホテルのボーイがビールとウオッカを持ってきたようです。
アルコールは禁止ですが、ホテルによっては部屋で飲むことが出来ます。 先ずライセンス(有料)を取って、その後、ルームサービスで頼みます。 レストランでは飲めないので、自ずと部屋でカレーとチャパティ(ナンのようなもの)をつまみに飲むことになります。

酒はビール、ウオッカ、ジン、ウイスキーがありますが、全てパキスタン国産品です。
不思議に思いませんか? 禁酒国に酒造所があるのが。 そして、どうやって品質確認を行なっているのでしょうね? 味見は飲酒なのでハラムですよね。
味見しない所為なのか、品質は安定してません。 ビール1本飲んだだけで、歩けなくなることがあります。 また寒気がして熱が出てそのまま寝込んでしまう時があります。 ウオッカなんて、物によっては可也強烈に効くので、飲む前はいつ倒れても良い準備をしてから飲みます。

さてと、今日も退屈な一日が幕を閉じようとしています。 明日はアリ君にお尻の拭い方(洗い方?)でも習おっかな! トイレに置いてあるポットはどうやって使うのか?

あ〜ウオッカが効いてきたようです。 パソコンの画面が見えにくくなってきました。

それでは、皆さん、今度また!
もし帰国できたら、ロブロイで飲みましょうね。

<ロブロイストの日々>  毎・月始め更新いたします。