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Somekawa & vafirs

『2010年 8・1 後楽園ホール』

西川正一郎

全国3000万のプロレスファンの皆様、こんばんは!

さぁ、時代を超越した夢のバトルロイヤルが、団体間の様々な障害を乗り越えて、ここ、後楽園ホールで今日、行われようとしております。
待ちに待ったこの瞬間、ワタクシも大変緊張しております!
出場する選手もさることながら、解説陣も豪華なゲストをお迎えいたしまして、皆様に今日の様子をお伝えしようと思っております。
解説の山本小鉄さん、今日の見所を一言で言うとどうなりますかねー。
山本「そーですねー、一言ではちょっと言えないですねー。見所と言うよりも、すべての攻防を見逃すなと言った所でしょうかね。」

さぁ、選手の入場が始まるようです。
15人の選手たちが一気にリングへと駆け上がっていきます!
戦いの戦乱絵巻、下克上、もしくは逆下克上の様相を呈するのか、ワタクシには全く予想がつかないと言ったところでしょうか。
しかし、これだけのビックネームが一堂に会することがあっていいのでしょうか、本当に信じられない光景と言ったものが、まさに、今まさに、ワタクシの目の前のリングで始まろうとしております。
所狭しと、選手がひしめくリング上でまずはどういった攻防が行われ、、、 おっと、今、ゴングが鳴らされましたぁ!!!

おおぉっとぉ! いきなり、フリッツ・フォン・エリックが、アンドレ・ザ・ジャイアントの、こめかみをわしづかみだー!
リングの中央からロープ際の方まで押し込んでいくぞー。
アンドレがロープを背に苦しそうだ。
おっとそこに、ドリー・ファンク・ジュニアが加勢してきたー。 ドリーがアンドレの足を持っているが、200Kgを超えるアンドレだ、びくともしていないぞ。 さぁ、そこにアントニオ猪木も入って持ち上げようとしているー。
まだ動かない!
しかしアンドレはフリッツ・フォン・エリックのアイアンクローで苦悶の表情だ!

ゲスト解説のテリー・ファンク・ジュニアさん、いかがですか?
テリー「おにいちゃぁーん!!!」

さぁ、反対側のロープ際では、倒れた選手に数人がかりでストンピングを浴びせています。
倒された選手は誰でしょうか、、、、 あー、ディック・マードックのようです。
フレッド・ブラッシー、ザ・シーク、ジャイアント馬場、そして、ミル・マスカラスと言った選手から執拗にストンピング攻撃を受けています。
リング中央付近ではルー・テーズとカール・ゴッチがロックアップ状態だぁ。
これは、いかにも玄人好みと言った主導権争いだ!
今テレビをご覧の皆様はこのかけひきを充分に理解できるのではないでしょうか。

ゲスト解説のビック・バン・ベイダーさん、そのあたりはどうでしょう?
ベイダー「ベイダー タァーイム!!!」

さぁ、アイアンクローを受けているアンドレの所にはブルーザー・ブロディも加勢して、まさにアンドレが持ち上げられようとしています!
おぉ、これは持ち上がったぞぉ!!!
徐々に浮き上がっていくー。
そして、トップロープを超えそうだ!超えたー、超えたぞ!まさに一人民族大移動!!!リング外に放り投げられたぁー。 アンドレ失格!!!そして、ドリーも道連れだー!ドリーも失格!

テリー「おにいちゃぁーん!!!」
アンドレを一人で投げたことのある、ゲスト解説のスタン・ハンセンさん、いかがですか?
ハンセン「うぃぃぃーーーーーー!!!」

ここまで力道山はコーナーポストでじっと見つめているだけ、いまだ微動だにしていません。
そしてこの間に、ビル・ロビンソンにダブルアームスープレックスで投げられたニック・ボックウィンクルがフォールされていますねー。

さぁ、ここでルールの方をちょっとおさらいしておきましょう。
ピンフォールでのスリーカウント、ギブアップは敗退となり退場です。
そのほかに、オーバー・ザ・トップロープ、これはバトルロイヤル特有のルールですが、トップロープを超えて場外に出た場合は失格となり退場となります。
セカンドロープからの場外エスケープは可能と言うことになっています。
あとは反則行為、これも失格、退場となります。
そしてこの試合を裁くのはジョー樋口、サブレフリーにはミスター高橋が入っています。
おっとぉ、馬場と猪木が絡んでいるぞー。馬場のチョップが猪木の脳天に炸裂!猪木は鉄拳制裁でお返しだー。
日本人同士でつぶし合いをして欲しくないと思うのはワタクシだけでしょうか。
猪木をアックスボンバーで失神させたことのあるハルク・ホーガンさん、そのあたりはどうでしょう?
ホーガン「イチバァーン!」
ジャイアント馬場と何度も名勝負を繰り広げたアブドーラ・ザ・ブッチャーさんはいかがですか?
ブッチャー「バァーバ、バァーバ、バァーバ」

ルー・テーズとカール・ゴッチは中央付近でロックアップ状態がまだ続いています!
さぁ、ビル・ロビンソンの額から流血です!
ブラッシーの噛みつき攻撃にやられたようですねー。
そこに、ブロディのギロチンドロップが炸裂!無理矢理ブロディがおこしてコーナーの方に持って行きます。
コーナーで待っているのは、ディック・マードックだぁ!
トップロープから、カーフブランディング!!!そしてフォールの体勢だ。
これは返せないー、スリーカウントでビル・ロビンソン敗退!
馬場と猪木の攻防にザ・シークとブラッシーが加わっているぞー。
何か様子が、、、、 あー凶器だ、凶器です。
これはー、銀色に光るフォークです、フォークがザ・シークの手に握られています!
これはいけません!おぉっと、これに気付いた力道山が動いたー!
ザ・シークに袈裟切りチョップだー。返す刀でブラッシーに逆水平!袈裟切り、逆水平、袈裟切り、逆水平。
物凄い音です。その音が聞こえなくなるくらいに会場のボルテージも上がってきております!
袈裟切り、逆水平、もうザ・シークとブラッシーの胸のあたりが真っ赤になっています!
そして倒れたところに、馬場と猪木がそれぞれフォール体勢だ!
ジョー樋口が両手でカウント入れる!カウントスリー!ザ・シークとブラッシー敗退です!

力道山、馬場、猪木、3人と親交の深いゲスト解説の永源遙さん、すさまじい攻撃でしたねー。
永源「いやー、あんな強烈な空手チョップを、よくツバを吐かずに受けられますねー。」

さあ、ここまでの経過をまとめておきましょう。
まずアンドレとドリーがオーバーザトップロープで失格、ニック・ボックウィンクルとビル・ロビンソンがそれぞれピンフォールで敗退。
そしてたった今、ザ・シークとブラッシーが同時にスリーカウントを受けて敗退と言うことで、残り9人の戦いとなっております。

おぉっと、膠着していたルー・テーズとカール・ゴッチに動きがありそうだー。
カール・ゴッチがヘッドロックの体勢に入っているぞー。
グイグイと締め上げていきます。
ルー・テーズこらえる。こらえたところでー、足をちょんとステップさせてー、カール・ゴッチを持ち上げたー!
ひねりを加えたバックドロップ!!!
倒れたところにすかさずディック・マードックがフォールに入ったー。
ここはカウントワンで猪木がカット!カール・ゴッチを猪木が救いましたー!
おぉっと、その猪木にフリッツ・フォン・エリックがストマッククローだー!
猪木苦しそう!顔をゆがめています!
そして、立ち上がってきたマードックにブロディがドロップキックだ!
さぁ、試合が動いてきました。慌ただしくなってまいりました!
馬場がフリッツ・フォン・エリックに脳天唐竹割り!今度は馬場が猪木のフォローだ。猪木助かりましたー!
おぉっと、再び立ち上がったマードックの背後にルー・テーズが回ったぞー。
さぁ、抱え上げてー、バックドロップだー。
たたみ掛けるようにトップロープからマスカラスがフライングボディアタックの追い打ちだー。
そしてそのままフォールの体勢、残り全員も上にのしかかるー。これはもう返せないー。マードック敗退!

さぁ、いったんここで、仕切り直しです。
コーナー付近では、ルー・テーズと馬場、カール・ゴッチと猪木がにらみ合っているぞー。
そしてー、ブロディとマスカラスがロックアップの体勢から、ブロディが押し込んでいくー。
さぁ、ロープ際まで押し込んでー、腕をつかみ直して、ブロディがマスカラスをロープに振る体勢だ。
マスカラスこらえた!肘をロープにフックさせてこらえたぞー。
もう一度ブロディがロープに振る構えだ!
今度は、マスカラスが振られると見せかけ、体を入れ替えてブロディーが振られたー。
マスカラスもバックステップして自らロープの反動を利用して、フライングクロスチョップだー!
しかしブロディ、こらえたー、倒れないー!
そして、逆にマスカラスをボディスラムでリングに叩き付けたー!
その倒れたマスカラスのマスクをフリッツ・フォン・エリックが剥がそうとしているぞ!
マスクマンのマスクを剥がすのは反則行為で失格の対象になるわけですが、、、、剥がれてしまったー!
しかし、マスクの下には色違いの別のマスクだー!
そしてもう一回剥がそうとしているー。さすがにここはジョー樋口がカウントをいれる。カウントフォーだ。

マスクマンとしての経験もある三沢光晴さん、いかがですか?
三沢「マスカラスの投げたマスク、欲しかったですよねー。」

さぁ、ロープ際では、ルー・テーズが馬場をフルネルソンの体勢にしたまま、ブロディに何か伝えています!
ブロディが、自分からロープにいって反動を付けての馬場の十六文のお株を奪うキングコングキックだー!
馬場はそのまま場外へ出てしまったぁ。オーバーザトップロープで馬場が失格だー。
猪木もロープに振られているぞ。
カール・ゴッチがロープに振っての卍固めを猪木にかけているー。まさに、掟破りの逆卍固めだー!!!
あぁー、猪木、まさかのギブアップです!!!猪木がギブアップです!猪木敗退!!!

ここまでの戦いを見て、ゲスト解説のリック・フレアーさん、この先どう見ますか?
フレアー「ノー、ノー、ネ。バトルロイヤルハ、ニゲルガカチネー。ワタシナラ、ニゲキルジシン、アルワイネー。」

さぁ、ここで、コーナーポスト近くでマスカラスがフリッツ・フォン・エリックにロメロスペシャルをかけようとしているのですが、フリッツ・フォン・エリックこらえています。
そこに力道山が近付いてきたぞー。
マスカラスに空手チョップ連打だー。
フリッツ・フォン・エリックを倒すのは俺だから邪魔をするなと言った所なんでしょうか。
凄い形相でチョップの連打です!倒れたところを自分でカバーに入る。
ジョー樋口がカウントを入れてー。カウントスリー。マスカラス敗退です!
そしてー、立ち上がったフリッツ・フォン・エリックの後ろにカール・ゴッチがいるぞ!
しっかり両腕をクラッチして、ジャーマンスープレックスだー!
これは決まったー!!!カウントスリーでフリッツ・フォン・エリックも敗退となりました!

残るは4人、力道山、ルー・テーズ、カール・ゴッチ、ブルーザー・ブロディです!
さて、誠に申し訳ないのですが、放送時間の方が残り少なくなってまいりました。
この試合を最後までお伝えするのが難しい状況となっております。
現在はルー・テーズとカール・ゴッチがリング中央でロックアップ状態、コーナーに追い詰められたブロディが力道山の空手チョップの連打を浴びで膝をついた格好になっております!
さぁ、中央では、ルー・テーズがバックドロップからカバーに入りましたが、カウントツーでカール・ゴッチが返す!
空手チョップを浴びて前傾姿勢のブロディーを前から抱え上げたぞ!
持ち上げながら、くるっと反転してー、これはー、スパイラルボムだー!!!
かつて、力道山がパワーボムも含めてこういった技を繰り出したことがあったのでしょうかー!!!
そして、今度はカール・ゴッチが連続ジャーマンだぁー!
カール・ゴッチのジャーマン3連発も今回が初なのではないでしょうかー!
放送時間の方がもうありません!
来週の対戦カードはご覧の通りとなっております!
力道山がカバーの体勢に入ろうとしてー、、、、

それでは皆さんごきげんようさようならっ!!!!!

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