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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

我が家の猫・V

我が家の前の用水(乾いた用水)に捨てられていた子猫、我が家の一員になり、そろそろ七年になる。
猫種はというとキジトラである。

ところで猫の年齢はというと、まず一年で20歳になり、それから毎年4歳ずつ足していくのだそうである。
とすると七年という事は、二十歳プラス4×6=24となるので44歳という事になる。(これは犬も同じなのだそうである)
体重は現在5キロ。
44歳というと立派な大人であり、人ならば家庭も充実し、それなりに仕事も任され元気に働いている年代であるが、そこは猫の事、当然だが何もしない。
わが家にやってきて数カ月経ったころ、息子がさり気なくつぶやいた。
「子の猫、なんでここに居るんだろう」と。

その素朴な疑問、分かるような気がする。
ニャーと鳴けば、キャットフードをやる。
しばらくしてまたニャー、今度は猫用おやつ(カニカマ・缶詰)などをやる。
またネコ砂も用意し、排泄するたびに人が処理しなくてはならない。
猫草も必要である。
たまには遊んでやらなければならない。
ある日ゴムの丸い玉があったので投げてやると、喜んで走っていく。
が、それだけだ。
犬のように玉を咥えてきたりはしない。
結局2〜30個必要になり、どんどん投げてやる。
が、その遊びが終わると、投げた人は、すごすごと丸い玉を集めなければならない。
なにやら淋しい気がするが、可愛い猫の事、しょうがないのである。

夏ならまだよいが、冬その部屋だけにいる訳ではない。
襖をこじ開けて玄関の方へ出て行く。
しかし絶対に閉める事はしない。
冷た〜い風がピューと入って来る。
しょうがないので人が閉めることになる。
しばらくしてゴソゴソゴソッと音がしたと思うと、また部屋へ入って来る。
当然閉めない、また冷たい風が入って来る。
急いで閉める。

それだけならまだ良い。
襖であるが、何枚かあるうちの一枚の取っ手が気になるらしく、取っ手に向かってジャンプしながらガリガリとやる。
やがてその襖はボロボロになったので、貼り替えてもらった。
今度はその周辺に、爪でひっかいても丈夫なナイロンを貼ってみた。
すると何回かゴリゴリとやっていたが、引っかき傷が付かないので、面白くないのだろう、その後やらなくなった。

当然だが障子もひっかく。
これに関してはホームセンターに「猫が引っ掻いても大丈夫」というナイロン製の白い障子があったので、全部自分で張り替えた。
確かに丈夫である。
これも襖同様引っかきがいがないと、諦めたようである。
ともかく、世話をしている、というより世話させて「頂いている」と思わないと猫は飼えない。
むかし犬も飼っていたが、犬のように無心に懐いてくるわけでもない。
また羊・ヤギも飼っていたが、羊は犬のように懐くし、羊毛は毛布になる。
ヤギは乳を搾っていた。
家畜として他にニワトリ・牛・豚もいたが、それぞれ何か与えてくれるし役に立つものである。

先に書いた息子の言葉「子の猫、なんでここに居るんだろう」
なるほど、正直な気持だろう。
猫とは、そこに居る(居てくれる)だけでいいようである。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。