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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

せこせこと

前回・前々回と、ようするに年末・年始になる訳ですが、いさぎよい飲兵衛の最後の話を書いてしまいましたので、今回は平和〜な話にしたいと思います。

突然ですが、明けましておめでとうございます。・・・?
今頃なんで、とお思いでしょうが、旧暦では今はまだ一月になるそうです。
ですので一応ご挨拶させて頂きました。

旧暦はさておき、もう三月になろうとしていますが、我が家では今でも「餅」を食べております。(といっても僕だけですが)
年が明けると一回は餅の事を書いてしまうので、つまり毎年同じような事を書いている、という事になります。
とにかく餅は大好きです。
その僕の餅好きを聞いた昔からの常連であるS氏が毎年突いた餅を十分な量を頂いているのです。
さすがにあと数日分しかありませんが、大概二月いっぱいまで食べております。
とにかく好きです。
雑煮でよし、焼いてもよし、キナコ餅もよしであります。
正月は雑煮として、過ぎると焼くかキナコですが、キナコにしろ焼いてからお湯で濡らします。
キナコはというと、黒砂糖をたっぷり入れ、大事なのは塩をひとつまみ入れるのです。
不思議に味が(甘み)がぐっと引き締まって、実にうまいのです。

さてどうやって焼くかと言うと、昔なら囲炉裏で焼く、もしくは火鉢の炭火で焼いたものですが、わが家には囲炉裏はなし、まして火鉢などありませんので、 居間のテーブルへカセットコンロを置き、ホームセンターでわざとらしく「お餅がおいしく焼ける」と書いてある焼き網で焼くのです。
焼き方はと言うと、たとえば魚を焼く時は基本的にひっくり返すのは一回だけ、ようするに片面ずつしっかり一回で焼く、という事です。
昔の言い伝え、魚は殿さまに焼かせろ、と言いますが理由は殿様はせこせこしないからです。
で餅はどうかと言うと、餅は、早く食べたい乞食に焼かせろ、といいますが、なるほどせこせこと何回もひっくり返した方が綺麗に焼けるようです。

さて、目の前でゆっくりと焼く。
比較的小さめに切り、せこせことひっくり返していると、やがて焦げ目が付き、プク〜と膨らんできたらすかさず生醤油にさっと付ける。
醤油を付けた部分を上に置き、かるくもう一度焼くと、ちょっと醤油の焦げたいい〜香りがしてきます。
それをもう一回醤油を付けガブッとやる。
まあ〜美味いです。
なんといってもシンプルが一番。
醤油に砂糖を入れたり、餅をノリで巻いたりしません。
アンコもいらない。
餅も普通に白餅が一番。
仮に豆餅など貰ったとすると、豆を取り除きながら食べるので、僕にとってただ邪魔なだけです。
ところで嫁さんの実家がある富山ですが、昆布の消費量日本一。
当たり前のように昆布餅があり、これは意外と邪魔にはならず、そこそこいけます。
余談ですが富山には「昆布入り食パン」があり、これはこれでまた良しです。

餅を好きでよかったなぁ〜と思いつつ、そろそろ午後の三時、小腹も空いてきたのでこれで終えますが、数分後にはカセットコンロで餅を焼いている僕がある事でしょう。
せこせこと・・・これじゃあ殿さまにはなれそうもないな〜。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。